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「ミントデザインズ」秋冬東京コレクション

今季「ミントデザインズ」がテーマに掲げたのは「プラスチックシティー」。未来の街に暮らす住民たちが着る服を、デジタル風のグラフィックで表現して見せた。着想源は、イタリア人建築家エットレ・ソットサスによるポストモダンの作風。そのカラフルなブロックアートをほうふつとさせる色使いや幾何学柄を、フェイクファーやシャギー、レザー、PVC(ポリ塩化ビニール)など、さまざまな素材をミックスして、アーティスティックなウエアを作り上げた。

 ファーストルックは、QRコードのようなモザイク柄のファーのワンピース。ウエストとスリーブには、ギャザーを寄せたフェイクレザーを配置して、スタイルにメリハリのあるスタイルに仕上げる。そのモザイク柄は、ファーだけでなく、シャギーのトレンチコートやワンピースにも採用。柄をプリントでのせるのではなく、織り上げることで立体的に見えるように工夫しているのがポイントだ。

 他にもユニークなグラフィックや柄使いが豊富。小さな丸や四角をランダムに配置した幾何学柄や、少女の顔を線画で描いたプリントは軽やかなワンピースやワイドパンツで提案。コートに施した花の刺しゅうの上には、丸く切り抜いたPVCを貼付けて、キッチュな雰囲気を加えた。

 終盤は、積み木やレゴの組み合わせを意識したカラーブロッキングやストライプの色使いが特徴的。赤やオレンジの暖かいカラーパレットに、黒を差し込むことで強いコントラストを加えた。また、今季のコートやジャケットは、一貫してボタンを見せないデザインにこだわった。内ボタンを使うことで、モダンでフューチャリスティックな印象を強めることに成功した。