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原型は1921年の歴史的モデル──ヴィンテージ、ここに極まれり!

ヴァシュロン・コンスタンタンの新作「ヒストリーク・アメリカン 1921」シリーズは、 斜めになったダイアルとヴィンテージ風のデザインが魅力の意欲作。 オリジナルモデルの誕生100周年を記念した新作は、40mm径のホワイトゴールドがイチ押しだ。

待ち望まれて、とうとう登場した40mmのホワイトゴールド版

ヴァシュロン・コンスタンタンから「ヒストリーク・アメリカン1921」の新作が登場した。そもそも長い歴史を持つメゾンが1920年代、アメリカ市場限定で発売したモデルをルーツとする人気のシリーズだ。新たにラインアップに加わったのは、40mmと36.5mmのホワイトゴールドと、ブティック限定の40mmのプラチナモデル。待ち望まれて、とうとう登場した40mmのホワイトゴールド版はとくに注目だ。

ほかに代わるものがない、独創的ウォッチである。クッションケースの端正なフォルム、先端の丸を穿った針、鵞ペンで書いたような流麗なアラビア数字、レイルウェイ型のミニッツトラック。1世紀を超えたフォルムと細部は、メゾンが経験した本物の〝腕時計のアールデコ〟を語るものだ。そしてその完成されたすべてを破調するのが、斜めに傾けた文字盤と、場所を変えた12時位置に移動するリュウズである。破天荒なまでに大胆なクリエーションのルーツは、当時空前の経済的繁栄を謳歌するアメリカに向けて限定発売された、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史遺産にほかならない。

1921年に制作されたモデルの初復刻は2009年。ヴァシュロン・コンスタンタンのサーガを語る象徴的なタイムピースを現代によみがえらせる「ヒストリーク」のコレクションに現れた。復刻版ですら幻の逸品と評された「アメリカン1921」の価値を、100周年を記念して最新の技術で再確認したのが、今回の新作である。約65時間のパワーリザーブ性能は、自社製の手巻きムーブメント〝キャリバー4400 AS〟によるものだ。ダークブラウンのカーフスキンストラップに施されたパティーヌ加工は、イタリアのセラピアン社。100年を経た外観と現代的な力強さが矛盾することなく、ヴィンテージ・ルックの像を結ぶ。

オリジナルのモデルが送り出された当時のアメリカは、〝ローリング・トゥウェンティーズ=狂騒の20年代〟の幕が切って落とされる、空前の黄金時代のスタートラインにいた。第1次世界大戦に約3年遅れて参戦してほぼ無傷で勝利した合衆国は、好況を謳歌した。アメリカの旺盛な輸入がヨーロッパの復興経済を支えるなかで、社会の高揚感を映すように、さまざまな文化が花開いていった。フィッツジェラルドが描いたような、フラッパーがジャズで踊るその20年代に、ただものではない腕時計もまたアメリカに上陸した。

ヴァシュロンコンスタンタンスーパーコピー ヒストリーク トリプルカレンダー1942 3110V/000A-B426

カテゴリ ヴァシュロンコンスタンタン その他
型番 3110V/000A-B426
機械 手巻き
材質名 ステンレス
ブレス・ストラップ ストラップ
タイプ メンズ
カラー アイボリー
文字盤特徴 アラビア
外装特徴 シースルーバック
ケースサイズ 40.0mm
機能 トリプルカレンダー
1755年の創業以来、自社の歴史を振り返り世界的遺産とも呼べる数々のタイムピースを現在のヴァシュロン・コンスタンタンの持つ高い技術で復刻させる「ヒストリーク」シリーズ。
2017年に発表されたのがこちらの【ヒストリーク トリプルカレンダー1942】となります。
1942年のトリプルカレンダーモデルを再現して12時位置下に「曜日」と「月」の表示窓を設け、2トーンダイアルの外周部にはポインター式デイト表示機能を設けます。
ボックス型のサファイアクリスタルガラスは当時のプラスチック風防を彷彿させ、クロウ型のラグ形状もヴィンテージ感が漂います。


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“高級時計製造”の本当の意味とは(それは見分けられるものなのか)?

“チャーリー、あなたはいい木を選ぶと思っていたのに。いい木と悪い木の区別もつかないの?”‐ルーシー・ヴァン・ペルト『チャーリー・ブラウンのクリスマス(1965年)』より

時間を知るための補助ツールとしてではなく、時計そのものに興味を持った人なら誰でも、当然のことながら最初に持つ疑問は「どうやってよい時計を、平凡なものやまったく酷いものから見分けるのか?」だろう。この質問は非常に不可解なもので、時計について知れば知るほど深まっていくと感じることだろう。

現代の腕時計は、安価なクォーツ製を除いても価格帯や品質には無限の広がりがあるように見える。価格が上がれば品質も上がると考えられるが、それはどういうことなのだろうか? スティール製で防水性を備えた自動巻きの時計が、あるメーカーでは5万円である一方、別のメーカーでは30万円に設定されるのはなぜだろうか?

腕時計の歴史において、本当の意味で出来の悪い時計を見つけるのはかなり難しくなった。腕時計の基本的な技術は約500年をかけて徐々に洗練されてきており、人類は腕時計を作るのがとても上手くなった。したがって、この質問に対するシンプルな答えは信頼性が高く、耐久性があり、正確で、支払った金額に見合ったフィット感、仕上げ、性能を備えていれば、その時計はよい時計であるということである。しかし、なぜあるメーカーの時計が別のメーカーの時計よりも優れているとみなされているのかに焦点を当てると、この問題をより興味深いものにするだろう。

ここで改めて強調しておきたいのは、高級時計製造とは必ずしも優れた時計を作ることと同義ではなく、ましてや優れた時計やすばらしい時計はジュラ渓谷で隠遁生活を送る独立時計師が製作するオートオルロジュリー(haute horlogerie ‐ 超高級時計)の作品である必要もないということだ。例えば、セイコーは価格に見合った高い評価を得ており、オリスも同様にすばらしい価値をもつ時計を提供している。しかし、セイコーのアイスダイバーやオリスのビッグクラウン ポインターデイトは、ほぼ間違いなくよい時計だが(“ほぼ”というのは、時計愛好家が何かにつけて議論の種を見出すことを知っているからだ)、少なくとも伝統的な意味での高級時計製造の作品とみなす人はいないだろう。

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この時計の鈍器的な雰囲気は、ある種の「見た目は悪いが味はよい」といった魅力がある。

この時計が私のノスタルジーを強烈に刺激するのはなぜか考えてみたのだが、あの疑似リン酸塩皮膜処理されたケースと大いに関係があるように思う。ビーズブラスト加工は、実際のリン酸塩皮膜処理とよく似ている。それはイギリスで発明されたものだが、クラーク・W・パーカーという人物がアメリカの特許を取得し、1915年にデトロイトでパーカー・ラストプルーフ社を設立して以来、パーカライジング(リン酸塩皮膜処理)と呼ばれるようになったのだそうだ。基本的にはリン酸溶液に部品を浸し、加熱する。ロレックス 買取化学反応の結果、表面には耐摩耗性、耐腐食性に優れたリン酸塩金属皮膜が形成され、軍事用途ではパーカライジングによって得られる無光沢の表面は、さらに利点となるのだ。

とにかく、子供の頃はパーカライジングと言えば、極限状態に耐え、敵の心に恐怖を与えるものの代名詞のように思っていた。それに加えて、この時計の鈍器的な雰囲気は、ある種の「見た目は悪いが味はよい」といった魅力がある。この時計は、A-10ウォートホッグのようなものだ(醜い機体が愛されるのは、そのルックスではなく、それが現れたときに、し・ご・と、をするために来たのだということが分かるから)。

まともな人間は戦争がよいことだとは決して言わない。それなのに戦争が恐ろしいほどの魅力を放っているのは、いつも不思議なことだ。戦争は、古代ギリシャの『イーリアス』まで遡れば、物語や歌のなかで祝われ、それ以来、無数の文化やそのアイデンティティの中心的な存在となっている。しかし、私たちがミリタリーウォッチを愛するのは、戦争が好きだから、戦争を賛美するからだとは思わない。昔の私や仲間たちが、何気ない午後に、戦争がもたらす苦しみや恐怖をまったく想像していなかったように、私たちがこうした時計に魅力を感じるのは、戦争の混乱ではなく、目的意識、デザインの明快さ、そしてスタイルよりも実質を優先させる点なのだ。ベンラス タイプ1に1695ドル(約19万5千円)も出すのなら、他でも時計は手に入る、というのは正しい指摘だ。しかし、私にとって本機は競合他社とは一線を画すものである。それは、オリジナルの精神と目的を可能な限り尊重することを明確に意図したチームによって、一から組み立てられたアメリカン・アッセンブルの製品であることを体現しているからだ。

「マンデラ効果」と呼ばれる偽記憶の一種がある。実際には起こっていないことを、覚えているつもりになっている、いや、覚えいると思い込まされている。この効果は、1980年代にネルソン・マンデラ氏が獄中で亡くなったという誤った記憶が広まったことから名づけられたが(彼が亡くなったのは2013年)、ありふれたことでも誤った記憶となることがある。例えば、児童書の「ベレンスティーン・ベアーズ」シリーズはベレンスティーンという熊の話だと死の床で誓う人もいるだろう。ベンラス タイプ1は私にとってプルーストのマドレーヌだと言ったが、私の子供の頃にタイプ1はなかった。タイプ1は特殊作戦部隊に支給されるもので、プラスチックのおもちゃの銃を振り回しながら、8歳の友達にエンフィレード・ファイヤーの意味を説明しようとする、苛立った子供のためのものではなかったからだ。いや、私が体験しているのは、むしろマンデラ効果だと思う。私はタイプ1を持っていなかったが、本機があまりにも説得力があるので、なぜか持っていたような気にさせ、最悪、兵士であるのをやめるのは、夕食に帰らなければならないときだけ、というあの頃に私をつなげてしまうのである。

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